口述試験廃止で現役の診断士が今やるべきこと

2026年度からの
中小企業診断士試験における
『口述試験の廃止』と、
それが現役診断士に与える影響を
テーマにした解説です。

現役の中小企業診断士である大嶺さんと、
勉強中の有沙さんの対話形式で、
試験制度の変更内容から
その裏にある経済的事情、
そして現役診断士が取るべきアクションまでが
非常に論理的かつ現実的に語られています。

📢 2026年度(令和8年度)から何が変わるのか?

2025年6月に
経済産業省の省令により
規則が一部改正され、
2026年4月より施行されました。

これに伴い、
今年度(令和8年度)の試験から
大きな変更が生じます。

口述試験の完全廃止

2次試験の筆記合格者を対象に行われていた
面接形式の最終試験
(口述試験)
が正式に廃止。

プロセスの簡素化

「1次試験 ➔ 2次試験(筆記)」
のみで
最終合格者が決定するシンプルな流れになる。

合格発表の前倒し

最終合格発表の時期が
これまでより約1ヶ月早まり、
2027年1月13日を予定。

受験手数料の配分変更

総額(32,300円)は据え置きだが、
1次試験が14,500円➔17,200円に値上げされ、
2次試験が17,800円➔15,100円に値下げされた。

🧐 なぜ口述試験は廃止されたのか?(3つの理由)

これまで合格率が
「99%以上」であり、
実質的に落とすための試験ではなく
形式的な面接だった口述試験ですが、
廃止された背景には
以下の3点があります。

① 試験実施における財政状況の悪化(日診断の会計事情)

コロナ禍の感染症対策に伴う
臨時経費の発生や、
令和5年度に台風の影響で
1次試験の再試験を行ったことによる
想定外の出費。

さらに、
昨今の人件費や会場費
(ホテルの会議室代など)
の高騰が重なったこと。

② 地方受験者の負担軽減

口述試験は
全国7地区
(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)
でしか実施されなかったため、
地方の受験者が
真冬の1月下旬に
長距離移動を強いられる負担を解消するため。

③ 試験プロセスの効率化(コストカット)

面接官の招集、
会場手配、
運営といった
膨大な手間と運営コストをぐっと下げるため。

⚡ 現役の中小企業診断士・業界へ与える「地味に痛い」影響

定番の「試験の仕事」の消滅

口述試験の面接官は、
診断士協会から委嘱された
ベテランの現役診断士が務めていました。

半日〜1日程度の拘束で
一定の報酬(お小遣いレベル)が出る
定番の季節仕事だったため、
これがなくなるのは地味な痛手となります。

協会の求心力・接点の低下

協会は「会員に仕事を回す」ことで
影響力やメリットを担保している側面があるため、
現役診断士との貴重な接点や
仕事が1つ減ることは、
協会の吸心力低下に繋がりかねません。

予備校の「口述対策講座」の消滅

受験生にとっては
安心材料として需要のあった
「口述試験対策」
の付帯講座やサービスがなくなるため、
予備校にとっても一定の影響があります。

🚀 最大の変化:新人登録の前倒しと「4月スタート公的業務」への参入可能性

大嶺さんが
「これが最も現役診断士へ影響を及ぼす可能性がある」
と指摘する核心部分です。

最短登録時期が早まる可能性

合格発表が
1ヶ月早まる(1月中旬になる)ことで、
その後の「実務補習」の開始も
前倒しされる可能性が高い。

これまで最短で
「5月1日登録」だったスケジュールが、
「4月1日登録」に早まる可能性が出てくる。

年度初め(4月)の公的業務の競争激化

商工会議所、
中小企業振興公社、
よろず支援拠点などの
公的機関の相談窓口業務は、
基本的に
「4月スタート〜翌3月終了」
の年度単位で動いています。

これまでは新人が最短で登録しても
5月だったため、
4月スタートの公的業務の募集には
物理的に間に合わず、
参入できるのは
実質1年後(あるいは期中募集)でした。

しかし、
4月1日登録が可能になれば、
新人が一発目から
4月スタートの公的業務のコンペや募集に
エントリーしてくることになり、
現役診断士にとっては
年度初めの仕事の競争激化に直結します。

🤝 現役診断士が今すぐ取るべき「マインドセットと行動」

1. 新人をライバルではなく「ビジネスパートナー」と捉える

ライバルが増えて嫌だなと
ネガティブに捉えるのはNG。

診断士は
金融、メーカー、IT、公務員など
多様なバックグラウンドの人が
毎年参入してくるのが強み。

自分にない人脈や強みを持つ新人と組むことで、
今まで受けられなかった
大きな仕事をチーム
(パーティー)で受注できるようになる。

また、
自分が営業で獲得した案件を
新人に手伝ってもらうなど、
仕事を拡大するパートナーとして迎えるべき。

2. 自分のポジション・専門性を明確に作り上げる

新人が大量に入ってくる中で、
現役側も「新人に品定めされる」ことになる。

「このベテランと組んでも仕事にならないな」
と思われないために、
自分の強み・弱み、専門領域を改めて棚卸しをし、
独自のポジションを
しっかりと確立させておくことが急務である。

3. 新人との接点を意欲的に作る

協会や研究会、
会合などの場に積極的に顔を出し、
やる気や尖った専門性を持つ
面白い新人診断士をいち早く見つけ、
自らのネットワークに組み込んでいく動きが必要となる。

🌟 結び

制度が変わろうとも、
中小企業診断士としてやるべき本質
(強みの棚卸し、
ポジショニングの確立、
年度初めに向けた確実な営業活動)
は変わりません。

「新人をパートナーとして巻き込み、
共に日本の中小企業を支え、
ビジネスを大きくしていきましょう」
と熱く締めくくっています。

 

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