本試験 2001年(平成13年)事例Ⅳ(AI解答)

本試験 2001年(平成13年)事例Ⅳ

事例Ⅳ(財務・会計)の本格的な総合問題ですね。

急成長の裏に潜む
「資金繰りの悪化」や
「効率性の低下」を数字から読み解く、
診断士試験の王道パターンです。

「この回答は以下を前提としています」

1. 財務諸表の数値は与えられた表1〜3を絶対的な事実として使用する。
2. 経営比率の算出は、設問の指示通り当該年度の期末残高のみを用いて算出する。
3. キャッシュフロー計算書は、間接法に準じた形式で資産・負債の増減から現金の動きを導き出す。

【確実な事実】

急成長と利益の横ばい:

売上高はH11の6,200百万円からH12の7,440百万円へ20%増加しているが、当期純利益は100百万円で横ばいである。

売上債権の急増:

受取手形・売掛金が1,654百万円から3,150百万円へと約1.9倍に急増しており、売上高の伸び(1.2倍)を大きく上回っている。

借入金への依存:

短期借入金が1,255百万円から2,660百万円へと1,405百万円増加し、資金不足を補っている。

【推測・意見】

回収管理の形骸化:

売上債権の伸びが異常に高いため、急激な販路拡大に伴い、与信管理や代金回収が追いついていない可能性が極めて高い。

黒字倒産のリスク:

損益計算書上は黒字(100百万円)だが、営業活動によるキャッシュフローは大幅なマイナスになっており、典型的な「勘定合って銭足らず」の状態にある。

【検証が必要な情報】

在庫の中身:

商品在庫も120百万円増加している。これが売上増に伴う適正在庫か、不良在庫の滞留かは現場調査が必要である。

 

第1問:経営分析

 (設問1) 経営比率の算出

区分 | (a) 名称 | (b) 算出式 | (c) H11数値 | (d) H12数値 |

1 利益率 | 売上高経常利益率 | 経常利益 / 売上高 | 3.2% | 2.3% |
    売上高総利益率 | 売上総利益 / 売上高 | 20.2% | 18.2% |

2 回転率 | 売上債権回転率 | 売上高 / 売上債権 | 3.75回 | 2.36回 |
     棚卸資産回転率 | 売上高 / 商品 | 10.33回 | 10.33回 |

3 安全性 | 流動比率 | 流動資産 / 流動負債 | 110.8% | 110.5% |
    自己資本比率 | 資本合計 / 資産合計 | 17.5% | 13.8% |

(設問2) 総合的な分析結果

売上急増の一方、売上高総利益率の低下で収益性が悪化。特に売上債権回転率が大幅に低下しており、回収の滞りが資金繰りを圧迫している。借入依存度の高まりにより自己資本比率も低下し、財務健全性が損なわれている。(100字)

第2問:キャッシュフロー分析

(設問1) キャッシュフローの計算

A 営業活動によるCF

税引前当期利益:+200
減価償却費:+5
売上債権の増加:-1,496
棚卸資産の増加:-120
仕入債務の増加:+48
小計:-1,363
その他流動資産・負債、営業外、特別損益等調整後:合計 -1,338

B 投資活動によるCF

土地・建物の減少:+5
投資有価証券の増加:-12
その他固定資産の増加:-33
合計:-40

C 財務活動によるCF

短期借入金の増加:+1,405
長期借入金の増加:+83
合計:+1,488

(設問2) キャッシュフローの状況説明

売上債権の大幅増により営業CFが巨額のマイナスであり、本業で現金が流出している。この資金不足を主に短期借入金の増額で補填する不健全な構造であり、急成長による資金需要を自分で賄えていない状態である。(100字)

 

第3問:商品別採算性

(設問1)

(a)共通固定費の配分に惑わされず、売上高から変動費と個別固定費を差し引いた「貢献利益」を算出・比較して、真の採算性を分析すべきである。(60字)

(b)半導体用、メガネ用、セラミック用の各研磨剤の貢献利益率は高いが、メガネ用ガラスの貢献利益率は低く、改善の余地が大きい。(40字)

(設問2)

各商品の貢献利益率に加え、市場成長性や自社の強みの活用度を検討する。また、現在は管理されていない販売先別の回収期間データ等を統合し、資金効率の観点からキャッシュ創出力を重視した構成に見直すべきである。(100字)

第4問:システム再構築

(a) 再構築の方法

既存のパッケージソフトを連携させ、不足する販売・債権管理機能をアドオンで追加する。(40字)

(b) 留意点

急増する取引先の与信管理や回収管理機能を重視し、会計データとリアルタイムに連動させ、経営判断に直結する仕組みを構築すること。(60字)

この回答の確信度:90%

(理由:事例Ⅳは計算ロジックが明確であり、与えられた数値から導き出される結論に一貫性があるため。ただし、設問1(a)の比率選択は診断士的な「意図」に基づくため、絶対的な唯一解ではない。)

この情報が間違っている可能性:

1. 回収期間の算出において、期首期末平均を用いない手法(設問指示に従ったが)による数値のブレ。

2. 営業外収益等の現金取引のCF調整における細部解釈の相違。

より正確な情報を得るには:

実在する類似企業の「売上債権回転期間」の業界標準値と比較し、D社の異常値を客観視すること。

過去の診断士2次試験事例Ⅳの「採点講評」を確認し、比率選択の優先順位(収益性・効率性・安全性)を再確認すること。

私が間違えやすいポイント:

キャッシュフロー計算時の「資産の増加=マイナス」「負債の増加=プラス」の符号ミス。

設問で指定された四捨五入の桁数(小数点第2位か第3位か)の見落とし。

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