- 2026/02/07
https://sindansiken.xyz/2003-3/
「この回答は以下を前提としています」
1
C社の「熟練技能者」と「独自計測装置」を
競争優位の核(コア・コンピタンス)と定義します。
2
競合Z社の「ネット完結・低価格・短納期」に対し、
C社は「対面接客・高付加価値・フィット感」で差別化を図ります。
3
生産面では、
1人1工程の「分業制」から生じる
非効率と情報の断絶を解決すべき課題とします。
第1問(事業機会・強み・弱み、および今後の方策)
(設問1)
(a)事業機会: 健康意識の高まりによる、足への負担が少ない機能性の追求。
(b)強み: ①独自装置による精緻な足型計測。②熟練技能者の手仕事による微調整能力。
(c)弱み: ①対面計測必須による商圏の限定。②Z社に劣る価格競争力と納期。
(設問2)
(a)今後とるべき方策:
高いフィッティング技術を活かし、リピーターの計測データを蓄積して2足目以降のネット注文を可能にする等、CRMを強化しLTVの最大化を図る。
(b)その理由:
熟練技能による高付加価値化でZ社との価格競争を回避し、対面での信頼関係をベースに顧客を囲い込むことで安定的な受注確保が可能となるため。
第2問(クレームの原因と解決策)
クレーム1:形状の要求が製品に反映されていない
(a)原因: 店舗での「メモ書き」による抽象的な伝達が、製造現場で誤認されている。
(b)解決策: 製造指図書の項目を標準化し、顧客の細かい要求を数値や図解で具体的に記入する。また、店舗スタッフと技能者が直接意思疎通を図る場を設け、情報の齟齬を解消する。
クレーム2:要求通りだが「フィットしない」
(a)原因: 顧客の主観的な好みが計測データに反映されず、設計上の誤差が生じている。
(b)解決策: 計測時に既存の試し履き用サンプルを着用してもらい、感覚的な要望(緩め・きつめ等)を数値化してデータに加味する。また、引渡時のフィッティングと微調整を徹底する。
第3問(生産方法の改善提案)
提案内容:
改善策は、現状の完全分業制から、多能工化による「セル生産方式」またはチーム制への移行である。
理由:
各工程の負荷のバラツキによる手待ちを解消し、仕掛品を削減することで納期短縮とコスト削減を図るため。また、一人の職人が全工程または複数工程に責任を持つことで、顧客の細かい要求を製品に反映しやすくし、品質向上と職人のモチベーション維持を両立させる。
第4問(情報システムの構築)
情報システムの内容:
全店舗と工場をネットワークで結び、顧客の計測データ、購入履歴、特有の好み(クレーム内容含む)を一元管理する「顧客・製造管理システム」を構築すべきである。
管理すべき情報:
具体的には、足の3D計測数値、過去のデザイン選択、修理履歴、対面で得た「フィッティングのこだわり」等の定性情報を管理し、2店舗目でも同様の品質維持と接客サービスを実現する。
【診断士の視点:総評】
業態転換の成功要因
C社は「製造卸」から「製造小売(D2C)」への転換に成功しています。
このモデルの強みは、顧客の声を直接製品に活かせる点です。
技能のデジタル化
熟練の「勘」を計測装置で補完したように、
今後は「顧客の好み」をいかにデータ化して職人に伝えるかが、
規模拡大(10,000足)の鍵を握ります。
確信度:94%
理由:
事例Ⅰ(組織)・Ⅱ(マーケティング)・Ⅲ(生産)の論点をバランスよく配置し、
C社の現状課題に即した助言を行っているため。