【事例Ⅰ:組織・人事】人材不足に関する演習問題(2026/2/8)

「この回答は以下を前提としています」

事例Ⅰ(組織・人事)の最頻出テーマである
「採用・定着・育成」の連動を軸にします。

単なる人手不足ではなく、
「魅力不足による若手の離職」と
「ベテランへの過度な依存」が引き起こす
悪循環をテーマに設定します。

診断士試験で必須の
「インターナル・マーケティング(社内向け施策)」と
「組織風土の改革」を解決策の柱とします。

【事例Ⅰ:組織・人事】人材不足に関する演習問題

【与件文】

A社は、地方都市で運送業を営む従業員60名の企業である。eコマースの拡大により配送需要は極めて旺盛だが、慢性的なドライバー不足に直面している。
A社の平均年齢は52歳と高く、長年、ベテラン社員の「長時間労働」と「休日出勤」によって何とか納期を維持している状態である。社長は求人広告を積極的に出しているが、若手からの応募はほとんどなく、たまに採用できても「休みが取れない」「教育体制がない」ことを理由に、半年以内に半数以上が離職してしまう。
社内では、ベテラン社員が「自分たちの若い頃はもっと厳しかった」と、若手への厳しい指導や不満を口にすることが多く、これが組織全体の活気を削いでいる。社長は、このままでは数年後にベテランが定職した際、事業継続が困難になると強い危機感を抱いている。

【設問】

A社において、若手人材の確保と定着を図り、持続可能な組織体制を構築するために、診断士としてどのような「人事・組織上の施策」を助言すべきか。100字以内で答えよ。

ステップバイステップ思考による回答構築

① 質問意図の確認

「採用」の入り口だけでなく、
離職を防ぐ「定着(リテンション)」と、
ベテランの意識変革を含む
「組織風土改善」を問う。

② 確実な事実の列挙

弱み:高齢化、長時間労働の常態化、教育体制の不在、若手の高離職率。
脅威:配送需要増に対し、供給(ドライバー)が追いつかない「機会損失」。

③ 不確実な情報の分離

給与水準の詳細は不明だが、
与件からは「労働条件(休み)」と
「教育」が主因であると判断できる。

④ 最終回答の構築

労働改善:IT活用による配送効率化等での時短、福利厚生の充実。
組織・育成:メンター制度の導入、ベテランの意識改革(指導役への転換)。

【模範解答】

https://note.com/nakybusiness/n/n3096c5f2e41b

 

人材不足を解消する「診断士の定石」

【確実な事実】

労働集約的な産業ほど、
「衛生要因(給与・休日・環境)」が整っていないと、
採用活動(広告)はザルで水を汲むような
無駄な投資になる。

人材不足は「数の問題」だけでなく、
組織の「質の劣化(ブラック化)」を招き、
既存の優秀なベテランまで
疲弊・流出させるリスクがある。

【推測・意見】

若手の離職は
「ベテランとの価値観の相違」
に起因することが多い。

ベテランに
「若手を育てること=自分の将来の負担軽減」
であることを理解させる必要がある。

採用においては、
単なる条件提示だけでなく
「地域の物流を支える」といった
社会的意義(動機付け要因)を訴求することが有効。

【検証が必要な情報】

競合他社(同地域の同業種)と比較して、
A社の拘束時間や福利厚生がどの程度乖離しているか。

この回答の確信度:94%

理由
事例Ⅰの
「ハーズバーグの二要因理論」や
「組織活性化論」に基づき、
構造的な解決策を提示しているため。

私が間違えやすいポイント

「給料を上げる」という解答は、
財務(事例Ⅳ)への影響を考慮しない
安易な策とみなされがちです。

まずは「働き方(効率化)」や
「風土(教育)」の改善を
優先して答えるのが
2次試験のセオリーです。

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