- 2023/10/31
「この回答は以下を前提としています」
事例Ⅱ(マーケティング・流通)の核心である
「標的顧客の設定(ターゲティング)」と、
それに連動する「施策の整合性」をテーマにします。
「誰に」を絞り込むことで、
限られた経営資源を
どこに集中させるべきかを判断する
思考プロセスを重視します。
STP分析
(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)
の理論に基づいた設計とします。
【事例Ⅱ:マーケティング】ターゲティングに関する演習問題
【与件文】
B社は、海に面した観光地で老舗の温泉旅館を経営している。客室は全15室で、地元の新鮮な魚介類を使った料理が最大の強みである。これまでは「全世代・万客来訪」を掲げ、団体客から家族連れまで幅広く受け入れてきた。
しかし、近年、近隣に大型の定額制リゾートホテルが進出し、価格競争が激化。B社の売上は低迷し、特に平日の稼働率低下が深刻な課題となっている。
現社長の息子である専務は、現状を「ターゲットが曖昧で、B社の強みが誰にも刺さっていない」と分析した。専務が顧客データを調査したところ、宿泊客の満足度が最も高いのは「50〜60代の夫婦」であり、彼らは「静かな環境」「少量でも質の高い旬の料理」「丁寧な接客」を重視して、平日に宿泊する傾向があることが分かった。一方、若年層や団体客からは「設備が古く、騒がしい」との不満も出ていた。
【設問】
B社が価格競争から脱却し、平日の稼働率を向上させるために、今後どのようなターゲット層に絞り込み、どのような価値を提供すべきか。100字以内で助言せよ。
ステップバイステップ思考による回答構築
① 質問意図の確認
経営資源を特定の層へ集中させ、
競合(大型ホテル)との差別化を図るための
「ターゲット選定」と「提供価値」の定義を問う。
② 確実な事実の列挙
強み:15室(小規模)、新鮮な魚介(料理)、丁寧な接客。
現状:団体・若年層には不評(ミスマッチ)、50〜60代夫婦には好評。
課題:平日の稼働率向上、価格競争脱却。
③ 不確実な情報の分離
若年層向けの改装を行う
予算があるかは不明だが、
既存の強みを活かすなら
「高価格・高付加価値」路線が妥当。
④ 最終回答の構築
満足度の高い「シニア夫婦」をターゲットに据え、
彼らが好む「静寂」と「食」を強調する。
【模範解答】
https://note.com/nakybusiness/n/nb2f24f19b5d6
ターゲティングを精緻化する「診断士の視点」
【確実な事実】
「誰にでも」は「誰にも」刺さらない。
小規模な中小企業ほど、
ターゲットを絞り込んで
エッジを立てる必要がある。
B社の場合、
既存顧客の中で
「最も満足度が高く」
「競合が提供しにくい価値(静寂・質)」
を求めている層が正解となる。
【推測・意見】
ターゲットを絞ることは、
他の客層を「捨てる」勇気を持つこと。
団体客を断ることで、
シニアが求める「静寂」
という価値が初めて完成する。
平日稼働を狙うなら、
リピーター化(CRM)を促進する施策も
セットで考える必要がある。
【検証が必要な情報】
ターゲット層が
「どのようなメディア」
(旅雑誌、高級宿サイト等)
を信頼して宿を選んでいるか。
この回答の確信度:94%
理由:
事例Ⅱの定石である
「強みと顧客ニーズの合致」
を論理的に構成しているため。
私が間違えやすいポイント
「若者向けにインスタ映えを狙う」といった、
既存の強み(老舗・シニア満足)
を無視した180度違う提案は、
診断士試験では
「リスクが高すぎる」として敬遠されます。