中小企業診断士になるルートとして
一般的に知られる
「2次試験」とは異なる
「養成課程」ルートの、
実務に直結する生々しい実態が明かされています。
1. そもそも「養成課程」とは?
中小企業診断士の登録資格を得るには、
1次試験合格後に
「2次試験(筆記・口述)に合格するルート」と、
登録養成機関が実施する
「養成課程を通るルート」の
2つのパターンがあります。
養成課程では、
座学(ケーススタディ等)だけでなく、
実際に稼働している
中小企業へ数日間にわたり訪問し、
経営診断・助言を行う
「経営診断実習」
を繰り返します。
高島氏が通った
「日本生産性本部」では、
最短の半年間という
タイトなスケジュールの中で、
計5回(5社)の経営診断実習を行いました。
他には法政大学などのMBA連携スクールや、
中小企業大学校などが全国にあります。
2. 養成課程に入るための隠れたハードル
「お金を払って通えば誰でも資格が取れる」
と思われがちですが、
養成課程への入学自体が
非常に狭き門
(人気化しており選考が厳しい)
です。
企業の就職活動に近い
「エントリーシート」
(志望動機や論文)
による書類審査があり、
それを通過した後の
「面接試験」
に合格する必要があります。
スクールによっては
(中小企業大学校など)、
金融機関や公的支援機関からの
「企業内派遣」の枠が多く、
一般の個人枠は
さらに倍率が高く
落とされることも珍しくありません。
3. 養成課程の3つの大きなメリット
① 投資に対するリターンが明確(資格取得の確実性)
2次試験は正解が公表されず、
年1回の試験で落ち続ければ
再び1次試験に逆戻りするリスク
(終わりの見えない不安)
があります。
一方、養成課程は入学選考さえ突破し、
費用と半年間のリソースを注ぎ込めば、
非常に高い確率で資格を手に入れられるため
「労力とリスクの計算」が立ちます。
② 即戦力となる「超実務的」な経験が積める
実習では製造業や小売業、
ホテルなどの現場へ
約10日間缶詰めになり、
財務分析から仮説立案、
経営者へのヒアリング、
工場などの現場張り付き調査を行います。
チームで議論を重ねて
実現可能性の高い
「経営改善報告書」を作成し、
最終日に経営陣へプレゼンを行います。
この経験があるため、
資格取得後に
すぐコンサルティング案件の依頼が来ても
即座に対応できる実力が身につきます。
③ 大人になってからの「利害関係のない強固な仲間」ができる
スクールには高い志を持った
多様なバックグラウンド
(企業の役員や管理職など)
のメンバーが集まります。
ハードな環境下で睡眠時間を削り、
意見を激しくぶつけ合いながら
(時には本気の喧嘩をしながら)
実習を乗り越えるため、
卒業後も何でも相談し合える
一生モノの財産(人脈)が全国にできます。
4. 養成課程のリアルなデメリット
① 莫大な費用と「無収入」の期間が必要
学費だけで約270万円かかることに加え、
半年間は平日の朝から晩まで拘束される
全日制(スクーリング)のため、
仕事を辞めるか休職しなければならず、
「半年間の無収入」を受け入れる
経済的余力が必要です。
結果として、
会社員を続けながら
緩やかにキャリアを築きたい人には向かず、
独立や
大きなキャリアチェンジを
覚悟する人向けの制度と言えます。
② 拘束時間と負荷が非常に大きく、プライベートが犠牲になる
朝9時から18時までの授業後も、
深夜まで居残りや
マクドナルド等のカフェにこもって
膨大な課題やレポート作成に追われます。
特に約10日間の診断実習期間は
家族にも会えず缶詰めになるため、
独身の人や
子育てが落ち着いた
50代前後の受講生が多くなりがちで、
周囲(家族)の深い理解と支えが不可欠です。
まとめ
高島氏は、
「もう一度生まれ変わっても
迷わず養成課程を選ぶ」
と断言するほど、
この経験に価値を感じています。
高い目的意識を持った仲間と
圧倒的な密度で過ごす半年間は、
その後の実務
(不得意だった製造業の
現場改善などへの対応力)
に100%直結しており、
長い目で見れば
十分に回収できる
「最高の自己投資」
であると結論づけています。