診断士登録に向けて実務補習を検討している方へ

2次試験・口述試験を終えた合格者が、
診断士として正式に登録するために
避けて通れない「実務補習」について、
制度の大幅な変更点、
具体的な8日間の流れ、
チーム構成、
そして乗り切るための
実践的なポイントを解説しています。

1. 実務補習の概要と「2025年からの大改正」

登録の要件

2次試験合格後、
3年以内に
「15日以上のコンサル実務(15実務ポイント)」
を積むことが正式登録の条件です。

【超重要】5日コースの廃止と「8日コース」への移行

これまで定番だった
「5日コース(×3回で15日)」が
2025年2月で完全に終了しました。

これ以降は
新設された「8日コース」がメインとなり、
15日分のポイントを
一気に貯める「15日コース」の中身も、
この8日コースを
2回連続で実施する形に変更されました。

※背景として、
近年診断士の合格者が急増したことで、
(年1000人⇒1500人超へ)
教会の実務補習の枠が
瞬時に埋まる「供給不足」が深刻化しており、
受講回数を減らして効率化する目的があります。

費用

ここ数年で値上がりしており、
8日コースで10万5,000円、
15日コースで約21万円です。

これに加えて、
チームでの移動交通費や資料印刷代、
昼食代などの実費(約1万円前後)が別途かかります。

社会人にとっての最大の難点(有給消化)

従来の5日コースは
「金・土・日・月・火」などの日程が多く、
平日の有給取得は2日間で済みました。

しかし、8日コースになると
「木・金・土・日・月、そして翌週の土・日・月」
のようなスケジュールになるため、
2週間連続で
平日に計4日間の有給休暇を取得する必要が生じます。

企業勤めの方や
仕事が多忙な方にとっては、
スケジュールの確保が
以前より非常に厳しくなっています。

2. 「新・8日コース」の具体的な流れ

1日目:オリエンテーションと役割分担

チームの顔合わせ、
自己紹介、
役割決定(リーダー、財務担当など)、
診断先企業の事前情報すり合わせや
ヒアリング内容の決定を行います。

2日目:企業訪問・ヒアリング(最重要)

実際に診断先へ出向き、
社長へのヒアリングや
工場・店舗などの現場視察を行い、
現状を網羅的に把握します。

3日目:現状分析と課題抽出(レポートの命運を握る)

ヒアリング内容や
業界動向を突き合わせ、
企業の真の課題を抽出して
施策の方向性を
メンバー全員で練り上げます。

4〜5日目:報告書の個別作成(平日の自宅作業期間)

ここが1週間ほど期間が空くパートです。

各担当が自分のパート
(1人あたり15ページほど、
チーム全体で約100ページの大ボリューム)
をがっつり執筆します。

適宜Zoom等で
進捗や内容の矛盾がないか
整合性をすり合わせます。

6〜7日目:集計・ブラッシュアップ・プレゼン練習

週末に再度集合し、
全員の原稿をガッチャンコして、
誤字脱字のチェックや
社長へ見せるプレゼン資料の作成、
リハーサルを行います。

8日目:社長への報告会(最終日)

クライアント企業に出向いて
提案の成果をプレゼンします。

報告書の原本を
社長と診断士協会へそれぞれ提出し、
すべての全行程が終了となります。
(その後はチームで打ち上げを行うのが一般的です)

3. チームの構成とルール

メンバー

受験生(その年の合格者)を中心に、
1班あたり最大6名までで構成されます。

指導員として、
所属協会のベテラン診断士の先生
(および見習いの副指導員)
が手厚く同行してくれます。

クライアント企業

決算書をしっかり開示してくれる
商店街の店舗、製造業、建設業など、
ある程度歴史のある中小企業が対象となります。

名刺交換はNG

補習期間中、
受講生は
「自分の本業」(勤務先や役職)
を明かして
名刺交換をすることは禁止されています。

あくまで
「一人の診断士(コンサルタント)」
として対峙します。

「前職でITをやっていて」
などの専門性を活かしたトークはOK。

守秘義務の徹底

顧客の内部情報を扱うため、
SNS等で
実務補習の具体的な企業名や内容を発信することは
法律で厳禁とされており、
資格剥奪のリスクがあります。

4. 実務補習を効率的・円滑に乗り切る4つの実践ポイント

1. ITツールの事前調達とアカウント作成

ノートPCと
Microsoft Office(Word・Excel)は必須です。

それ以外に、
メンバー間の迅速な情報共有や
遠隔ミーティングのために、
Googleアカウント(ドキュメント/スプレッドシート)、
Slack、Chatwork、Dropbox、Zoomなどを
あらかじめ使える状態にしておくと
進行が非常にスムーズになります。

2. 序盤のゴールを「目次の完成」に設定する

2〜3日目の議論の際、
早く「目次」を確定させることを意識します。

目次が決まるということは、
提言の方向性と
各メンバーの執筆担当の振り分けが
すべて固まったことを意味するため、
その後の作業がブレなくなります。

3. 「マージ(合体)」を想定して記入ルールを細かく決める

各自がバラバラの書式で執筆すると、
最後に1つのファイルに
合体(マージ)させる際に
レイアウトが崩れて地獄を見ます。

事前に
「図表番号の付け方」
「フォントの種類・サイズ」
「用語の統一」
「見本の1ページテンプレート」
を細かく決めて共有しておくことが、
最大の業務効率化に繋がります。

4. 財務担当は財務分析ソフト「mcss」のポイント管理に注意

財務パートの担当者は、
決算書の数値を打ち込んで
業界対比分析を出力する専用ソフト
「mcss」を使用します。
(協会への提出に必須)

補習生には
初回無料ポイントが配られますが、
操作や出力を失敗して
ポイントを使い果たすと
再出力できなくなるため、
慣れないうちは慎重に操作する必要があります。

近年は、
外部の環境分析や文章構成のベース作成に
「生成AI」(Perplexityなど)
を活用することで、
昔に比べて
資料作成の業務効率を
大幅に向上させることが可能です。

ただし、
具体的な企業の課題に踏み込んだ提案は
人間がしっかり練り上げる必要があります。

また、
どうしても有給が取れず
8日間のスケジュール調整が厳しい場合は、
動画の最後に紹介されているような、
民間や社団法人が提供する
「実務従事プログラム」
(平日夜間やオンライン完結など)
をうまく並行して
活用するのも選択肢の1つです。

 

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