- 2024/10/28
2次試験・口述試験を終えた合格者に向けて、
診断士登録に必要な
「実務補習」の新制度の仕組みや
過酷なリアル、
乗り切るための準備、
そして合格後の診断士としての歩み方を、
指導員歴10年以上のベテラン診断士の視点と、
前年合格者2名
(わし子さん、鈴木さん)
の生々しい体験談を交えて
網羅的に解説しています。
1. 実務補習の制度と「2025年からの大改正」
登録の基本ルール
2次試験合格後、
3年以内に「15日間の実務補習」
または「15日以上の実務従事」を経て、
実務ポイントを15ポイント獲得することが
正式登録の条件です。
(試験合格だけでは診断士を名乗れません)
なお、
登録後は5年ごとに更新が必要で、
その際は30ポイントの実務実績が求められます。
【大改正】「5日×3社」から「8日×2社」へ
以前の制度では
「5日間で1社」の診断を
3回(計3社)受けるスタイルが一般的でしたが、
現在は「8日間で1社」の診断を
2回連続で行う
(計2社で15〜16ポイント)、
または「8日コース」を
別々の時期に2回受ける形へと
新制度に移行しました。
受講者側のメリット・デメリット
1社あたりにかけられる時間が
大幅に増えたため、
やっつけ仕事にならず、
じっくりと密度の濃い
丁寧な報告書作りができるのがメリットです。
一方で、
短期間で一気に駆け抜ける
「15日コース」は
モチベーションを高く維持したまま
あっという間に終わるため、
多くの受講生に選ばれています。
【警告】合格発表後は即座に申し込むこと
近年の合格者急増に対し、
指導員の先生の確保
(独立診断士が
自分の顧問先を誘致して
班を作るため非常に大変)
が追いついておらず、
定員枠の不足から
「受けたくても枠が埋まって受けられない難民」
が毎年続出しています。
口述試験の合格発表が出たら、
協会のHPを確認して
1分1秒でも早く申し込むことが強く推奨されています。
2. 現役受講生2名が語る「新・8日コース」の過酷なリアル
前年に合格し、
実際に新制度の「8日コース」を修了した
2名
・わし子さん:全日制リーダー経験
・鈴木さん:企業経理・夏受講
による生々しい実態です。
1週間前の「メール」から戦いは始まっている
本番の1週間前に
指導員から最初のメールと
膨大な企業資料
(決算書、アンケート結果等)
が送られてきます。
初日に集まる前に
各自が資料を読み込んで
「仮説(見立て)メモ」を作り、
オンラインで共有して
メンバー間の認識のズレを
確認しておくことが必須です。
※なお、
中堅・中小企業の公式サイトは
情報が数年前のまま古かったり、
強みが表現されていなかったりする
「Webの罠」が多いため、
あくまで仮説の出発点として捉え、
事実に捉われすぎない柔軟性が必要です。
ヒアリング時間はたった「2時間」の真剣勝負
6名1チームの場合、
実質的に社長へ直接質問できる時間は
1人あたり20分程度しかありません。
用意した質問リストの消化に固執せず、
バイタリティ溢れる社長の話
(歴史やこだわり)に耳を傾け、
会話の端々から
「社長が本当に困っている本音や現場の詰まり」
を五感で聞き取ることが最重要です。
「3日目」に方向性が決まらないと絶望する
ヒアリングに基づき、
チーム全員で
経営戦略の討議を行って
報告書の「目次」を固めます。
この序盤で
提言の方向性がバラバラだと
作業が一切進まなくなり、
最悪ケースでは
「6日目になってようやく書き始めた」
という
絶望的なスケジュールに陥る班もあります。
平日の中間作業(5日目〜6日目)で9割仕上げる
平日を挟む自宅作業期間中に、
自分の担当パート
(1人あたり約15ページ、
全体で約100ページのWord資料)
を9割がた完成させて
持ち寄るのが鉄則です。
最終日前日は「地獄のマージ」と「キンコーズの罠」
全員の原稿を
1つに合体(マージ)する際、
フォーマットがバラバラだと
レイアウト調整だけで
半日以上が吹き飛びます。
事前に図表番号、フォント、用語などの
記入ルールを
厳格に揃えておく必要があります。
また、
完成した報告書を
キンコーズ等で印刷・製本する際、
混雑で「5時間待ち」になり、
それだけで1日が終了することもあるため
時間配分は命取りになります。
3. 指導員が教える「評価される提案」と「絶対のNG行動」
「机上の空論」は無意味。泥臭い調査に基づいた提案を
経験豊富な社長に対し、
試験の知識だけで
綺麗事の戦略を並べても立ち打ちできません。
最も説得力を持つのは、
受講生が自ら足と
時間を動かして集めた
「泥臭い顧客へのヒアリング調査」
「競合・周辺のフィールドワーク調査」
などの一次データです。
これに基づいたリアルな分析は
社長を大いに唸らせ、
ボロボロになるまで
読み込んでもらえるような
価値ある報告書になります。
セット提案の魔術
大きな中長期的戦略だけでなく、
「明日からすぐ実行できる、
現場の小さなお困りごとの解決策」
(例:HPのモックアップ作成、
チラシの見本、
Excel台帳の作り方など)
をセットにして差し出すと、
社長の受け入れの姿勢(反応)が
劇的に良くなります。
厳格な「形式重視」と「名刺交換NG」
最終日に協会へ提出する際、
表紙や背表紙の書き方、
指定のフォーマット(必要要素)が
1ミリでも指示通りになっていないと、
中身がどれだけ良くても
その場で突き返されます。
また、
本業との利益相反
(ライバル企業の診断など)
を防ぐ観点から、
クライアント企業に対して
自身の本業の勤務先を明かして
名刺交換をすることは
倫理規定で厳禁とされています。
【絶対厳禁】SNSでの批判や愚痴
超過酷なスケジュールで
メンタルが削られやすいですが、
SNSで指導員や
チームメンバーの批判・愚痴を書くのは
絶対にやめてください。
協会はキーワード検索等で
受講生のSNSを厳しくチェックしており、
指導員に直接怒りの連絡が入ることもあります。
自身の信頼や
資格剥奪に直結するため、
不満はチームでの夜の飲み会
(親睦会)で
発散・解消しましょう。
体調管理の鉄則(8 – 1 = 0)
実務補習は試験ではないため
朝9時〜夕方5時が基本ですが、
いかなる理由
(インフルエンザやコロナ等)
があっても
1日でも欠席すると、
そのコース全体のポイントが
「ゼロ」になり
登録できなくなります。
うがい・手洗いを含めた体調管理は
最優先事項です。
4. 診断士登録後(1年目)の歩み方とアドバイス
「同期の絆」は一生モノ
利害関係のない
異業種・幅広い年齢層のメンバーと、
バチバチに熱い目的意識を持って過ごす
8日間の濃密な時間は、
一生モノのブレイン(仲間)との出会いになります。
修了後も
2ヶ月に1回集まって飲むような
深い関係が続きます。
合格1年目に「都道府県診断士協会」へ入会すべき理由
最も熱量があり
周囲から歓迎される
「フレッシュな期間」
は1年目しかありません。
例えば神奈川県協会のように、
1年目の同期全員で強制的に
「同期会」を組織し、
協会からミッションを与えられて
先輩診断士と
泥臭く活動させる仕組みを持つ地域もあります。
入会することで
活動の幅や
先輩とのネットワークが爆発的に広がります。
更新ポイントの獲得と「ひよこ食い」への警戒
登録後は
5年で30ポイントのコンサル実績が必要ですが、
協会や高久先生が主宰するような
実績のある
「受験系・経営系の研究会」に所属すれば、
高額な費用を払わずとも
ポイントが取れる実務案件の機会が
豊富に用意されています。
ただし、
右も左も分からない
新人(ひよこ)をターゲットに、
30万〜50万円といった
高額な受講料をむしり取る悪質な
「ひよこ食いセミナー」も存在するため、
必ず信頼できる先輩のアドバイスを聞いて
慎重に見極めてください。