- 2023/11/19
中小企業診断士の2次試験(事例I〜IV)について、
各事例の特徴や受験生のリアクション、
解答の方向性、
そして後半の質疑応答まで含めて
詳しく解説されています。
全体概要
2021年度(令和3年度)の2次試験は、
4事例トータルとして
例年と比較しても
明らかに難しい年であったと分析されています。
「この事例は比較的易しかった」
という手加減が感じられず、
全体的に難易度が高かったのが特徴です。
■ 事例I(印刷・広告制作会社)
特徴
問題要求の解釈自体は
例年ほど難解ではないものの、
問題本文のボリュームが少なめ(約2,300字)で、
同じような記述が
形を変えて繰り返されているため、
情報の整理・編集の難易度が非常に高かった。
時間配分
前半の3問は対応しやすいが、
後半の2問
(特に第4問の「いかに発展」という問い方や第5問)
が難しいため、
前半に時間を使いすぎると
後半で時間切れになるリスクがあった。
テーマ
「事業承継」が色濃く出た事例であり、
3代目社長の役割や
経営者教育といった視点を持って臨めると
アプローチしやすかった。
■ 事例II(豆腐の製造販売業者)
特徴
受験生の「好き嫌い」や
手応えのギャップが非常に大きい事例。
問題本文には
ターゲットや経営資源、
地域課題などの根拠が
ふんだんに埋め込まれており、
これらを丁寧に拾えたかどうかが分かれ目。
ポイント
第2問のネット販売において
「Y社(地元の米などを扱うECサイト)との連携」
を導き出せたかどうかが鍵。
自社サイトを立ち上げるノウハウがない
という記述を素直に捉え、
他社とのwin-winの関係を想定した
解答構成が求められた。
■ 事例III(革製バッグの製造・販売)
特徴
前年(令和2年)ほど
本文の情報はごちゃごちゃしていないが、
「切り分け」の難しさは健在。
受託生産品(売上の8割)と
自社ブランド製品(売上の2割)の
オペレーションが混在しており、
どこまでをどちらの課題とするかの判断が難しい。
ポイント
第4問で提示された2つの方向性
「高級品路線」か
「量産・アイテム拡大路線」か
の選択では、
C社の強みである
熟練の加工技術や
高級仕様というドメインを踏まえると、
明らかに
「高級品路線」を選択すべき事例だった。
■ 事例IV(財務・会計)
特徴
文章量・設定が多く、
80分間で完璧に処理するのは
ほとんどの受験生にとって
困難なボリュームだった。
戦略
難度の高すぎる
第2問の設問3(投資意思決定)などで
深追いして時間をロスするのではなく、
比較的チャンスのあった
経営分析(第1問)や
CVP(第3問)、
記述問題(第4問)で
着実に得点を積み重ねる
「時間配分のマネジメント」が合否を分けた。
質疑応答での主なやり取り
後半の質疑応答では、
受験生からの具体的な記述内容に対する合否
(加点可能性)
の相談に講師が答えています。
事例IVの金額の単位について
「2560万」と
「万」をつけて書いてしまった場合、
単位の指示(「万円」など)との兼ね合いはあるが、
意味としては通じるため
大抵は大丈夫ではないかという見解。
ただし「2560円」と書いてしまった場合は流石に厳しい。
事例IIの高齢者向けコミュニケーション
高齢者に対して
「IM(インスタントメッセンジャー)」
での情報発信を提案する解答は、
本文に
「高齢者からは敬遠されている」旨の記述があるため、
基本的には加点されない可能性が高い。