- 2020/11/09
中小企業診断士2次筆記試験
(事例Ⅰ〜Ⅳ)において、
「合格レベルの答案を安定的に作成する」
ための手順や思考法が解説されています。
🎯 講義の狙いと全体像
中小企業診断士2次試験の対策において
必要な要素は
「知識」
「手順」
「マネジメント」(80分間の立ち回り)
の3つです。
このうち、本講義では
「手順(メソッド)」
に特化して解説しています。
最終目標
合格レベルの答案を
「安定的」に作成できるようになること。
(振れ幅・ばらつきを小さくする)
最大のポイント
「出題者の意図を捉える」
という1点に尽きます。
パターン処理や
表面的な文字面(字面)の追っかけでは
太刀打ちできない
不確実性の高い問題に対し、
その場で正しく判断できる
基礎的な対応力を養います。
💡 2次試験問題の構造と「不適切さ」の理解
二次試験は、
あらかじめ設定された
「答え」がある試験であり、
受験生はそこへどれだけ近づけるかで採点されます。
問題の構造
出題者は「要求・制約」を提示し、
回答を特定するための
「根拠」を問題本文の中に散りばめます。
「ずれ(不適切さ)」の基本セオリー
出題者は、
企業が
「適切な状態からあえてずれた状態」
(課題や不具合を抱えた状態)
になるよう事例を設定します。
テキストにあるセオリー
(適切な経営状態)だけを覚えていても使えません。
「どう不適切になっているか」
「変化前と変化後のギャップは何か」
という視点を持つことで、
読み取る力が格段にアップします。
「解く」のではなく「指示に従う」
2次試験において問題は
「解くもの」ではなく
「指示(述べよ、説明せよ、算出せよ等)に従って回答を作るもの」
です。
これを意識するだけで、
独りよがりの記述や大外しを回避できます。
🛠️ 最重要プロセス:要求具体化(事例Ⅰ〜Ⅲ)
講義の後半で
最も時間を割いて解説されているのが、
問題文を解釈して
回答の設計図を描く
「要求具体化」のステップです。
このクオリティが答案の成否を握ります。
1. 問題本文を読む前に「引き継ぎ資料(ショッピングリスト)」を作る
問題本文をいきなり読みに行くと、
目立つ記述や
キーワードに引っ張られて
「買い忘れ(根拠の見落とし)」や
「余計なものの購入」
(不適切な根拠への飛びつき)
が起きます。
問題文(設問)を読んだ段階で、
「どのような回答構成(組み立てイメージ)になるか」
を数秒で具体化し、
本文へ探しに行くための
「着眼点(質問リスト)」
を明確にする手順を踏みます。
具体例:組織改変の目的を問う問題(平成30年事例I)
文字面だけを見る
「組織改変の目的は何か」
要求具体化を行う
組織改変という大がかりなことをする裏には
「戦略の変更」や
「経営課題」があるはず。
本文を読む際は
「どういう組織からどういう組織へ変わったのか」
「その時の戦略変更の有無や当時の経営課題は何か」
を着眼点として探しに行く。
2. 過去問の「一部削除」や「問いの変換」でトレーニングする
解釈力を高めるための
具体的な練習法として、
問題文の一部の文言をあえて削除したり、
別の問いに変換してみたりして、
答えがどう変わるかを検討する
(出題者の視点に立つ)
方法が有効です。
3. 「当てはまらない具体例」を考える
知識を本番で正しく使うためには、
適切な定義を覚えるだけでなく、
「これは組織管理ではなく経営管理の話だから当てはまらない」
「これは課題ではなく単なる現状の記述だから回答にならない」
といった
「ダメな例」と
その理由をセットで浮かべる訓練が、
エラーを防ぐ強力な武器になります。
📝 各事例におけるアプローチのヒント
事例Ⅰ(組織・人事)
「強みの維持強化」と
「活用」による
存続・成長が基本テーマ。
経営レベルの課題と
組織レベルの課題の
2段階で
ギャップを捉える
複雑な問題が多い傾向にあります。
事例Ⅱ(マーケティング・流通)
とにかく「売上を上げる」ことがテーマ。
顧客ニーズと
協業相手のニーズの
双方を満たす提案
(オリジナル製品による差別化など)
の構造を組み立てます。
事例Ⅲ(生産・技術)
「利益額・利益率」がポイント。
多品種化などの環境変化に対し、
古い管理方法や
人員配置のままでいるために生じている
ギャップ(不具合)を論理的に特定します。
事例Ⅳ(財務・会計)
近年は情報量が非常に多く複雑な設定
(例:レジ100台、中古車20台など)
が続いています。
本質的でない複雑さに惑わされないよう、
要素を分解して
「月額を年額にする」
「台数倍する」
といった前処理を計画し、
最終的な算出式(NPVなど)を
見切ってから処理に着手する
(計画優先メソッド)ことが重要です。
🎨 持ち物・マーキングについての補足
問題文にカラフルなマーカーを塗ったり、
思いつきをメモしたりすることは、
書かれている表面的な情報(入力)だけに
注意が向いてしまい、
かえって
「書いていない意図を補う」
思考の妨げになるリスクがあります。
最終的に答案を書くのは
シャープペンシルや鉛筆です。
道具を持ち替えるだけで
集中力が散る原因にもなるため、
「色や線に頼らず、
頭の中で組み立て図と
着眼点を数秒で描く」
というシンプルな手順を
自動化(無意識にできるレベルまで練習)することを
目指すべきだとまとめられています。